TOEICの点数配分を知りたい人
「TOEICの配点方法を知りたい!1問何点くらいなの?5点と聞いたけど本当?どれくらい正解すれば何点になるのか目安を教えてください!」
このような疑問を解決します。
この記事の内容
- TOEICの点数配分の仕組み
- TOEICのパートごとの点数配分の割合
- TOEICの試験対策は1問の価値が大きいところから
TOEICの点数配分の仕組み
皆さんはTOEICの点数の仕組みについて考えてみたことがありますか?
先日、私はこのようなツイートをしました。
TOEICを4か月で860点突破した経験から言いますと、短期勝負は誰でもできます。
— ほろほろ (@investfrom30) July 31, 2020
私が短期で高得点を取れたのは、元の英語力も多少ありますが、配点の多いパートを集中して試験対策した、ただそれだけです。
単語を覚えるよりも、TOEICの仕組みをまず覚える方が割と効果的。#TOEIC
TOEIC対策と聞くと、単語をがむしゃらに覚えたり、問題集を解きまくるというイメージがありますよね。
でも、点数配分の観点からTOEIC対策のアプローチをしたことはありますか?
私はこのあたりの知識を早い段階で理解したので、短期間で高得点を獲得できました。
TOEICの配点の仕組みを理解するのは超重要です。
点数配分の中身を理解してテスト対策すれば、初心者の方でも効率的にスコアアップを狙えます。
それではTOEICの点数配分の仕組みについて解説していきますね!
TOEICでよくある現象
今回のTOEICは難しかったのに、思ったよりスコアが良い!
やったー!
今回のTOEICは簡単だったのに、予想以上にスコアが悪い…
ボクには英語なんて向いてないんだ〜
TOEICをやっていると、このような自己評価と反対の現象が起こることがよくあると思います。
このような謎の現象が起こるTOEICの配点の仕組みから理解していきましょう。
TOEICは1問5点ではない?
TOEICは1問あたり5点で計算すると聞いたことがある人も多いはず。
しかし、正確に言いますと、これは間違いです。
TOEICのセクションごとの最低点と最高点はご覧のとおり。
これを合計すると最低点は10点、最高点は990点となります。
セクション | 最低点 | 最高点 |
---|---|---|
リスニング | 5 | 495 |
リーディング | 5 | 495 |
合計 | 10 | 990 |
TOEICはリスニング100問とリーディング100問の合計200問で構成されています。
1問5点で計算すると、最高点が1000点になりますので、おかしなことになってしまいます。
TOEICのスコアは統計処理がされている
では、TOEICを受験した後に、送られてくるハガキに記載されたスコアは一体何なのかという疑問を感じるはず。
残念ながら、TOEICの具体的なスコア算出の方法は公表されていません。
TOEIC公式サイトを確認すると、過去のTOEIC試験を遡って統計的なスコアが受験者に返される仕組みをとっているようです。
ちょっと何を言っているの分からないですけど…?
たしかに、統計処理と言われるとややこしいですね。
私たちが考える一般的なテストは『加点方式』ですが、TOEICのテストは加点方式に加えて、「過去の試験の難易度を参考に点数を修正しますよ〜」というイメージです。
そんなことしたら、損をする受験者が出るじゃないですか!!
勝手に点数を変えるなんてひどい!
このような不満の声が聞こえてきそうです。
とはいえ、TOEICのスコアが進学・就職・キャリアアップで有効活用できるのも、この統計処理のおかげでもあることを忘れてはいけません。
例えば、問題内容が簡単な回のTOEIC試験を受けた人と、難しい回の試験を受けた人が同一で扱われるなら、TOEICは「ラッキー要素」のある試験になってしまいませんか?
そうなると、TOEICスコアの信頼性が無くなってしまいます。
過去の試験の難易度を統計的な観点から分析して、すべての試験に反映させることは、合理的な配慮と言えるでしょう。
冒頭にあった「難しっかたのにスコアが良かった」という現象は、こういった統計的に処理がなされたスコアが受験者に届くためなんですね。
TOEICのパートごとの点数配分の割合
こちらは、公式問題集TOEIC Listening & Readingに記載されている、スコア換算表です。
リスニング | リーディング | ||
---|---|---|---|
素点 | 換算点範囲 | 素点 | 換算点範囲 |
96-100 | 475-495 | 96-100 | 460-495 |
91-95 | 435-495 | 91-95 | 425-490 |
86-90 | 405-475 | 86-90 | 395-465 |
81-85 | 370-450 | 81-85 | 370-440 |
76-80 | 345-420 | 76-80 | 335-415 |
71-75 | 320-390 | 71-75 | 310-390 |
66-70 | 290-360 | 66-70 | 280-365 |
61-65 | 265-335 | 61-65 | 250-335 |
55-60 | 235-310 | 55-60 | 220-305 |
51-55 | 210-280 | 51-55 | 195-270 |
46-50 | 180-255 | 46-50 | 165-240 |
41-45 | 155-230 | 41-45 | 140-215 |
36-40 | 125-205 | 36-40 | 115-180 |
31-35 | 105-175 | 31-35 | 95-145 |
26-30 | 85-145 | 26-30 | 75-120 |
21-25 | 60-115 | 21-25 | 60-95 |
16-20 | 30-90 | 16-20 | 45-75 |
11-15 | 5-70 | 11-15 | 30-55 |
6-10 | 5-60 | 6-10 | 10-40 |
1-5 | 5-50 | 1-5 | 5-30 |
0 | 5-35 | 0 | 5-15 |
目指したいスコアがあるなら、どれくらいの素点を取る必要があるのか分かります。
ここに統計処理が加えられますので、あくまでも目安として理解しておきましょう。
パートごとの配点の割合
TOEICは7つのパートに分かれており、Part1〜Part4はリスニング、Part5〜Part7はリーディングです。
そして、パートごとに問題の内容が異なります。
特にPart7はシングル・ダブル・トリプルと呼ばれるように、複数の情報源を頼りに長文読解を行うため、厳密にはTOEICは9つの細かなパートを持っていると言われています。
そのTOEICのパートごとの点数配分の割合は、このようになっています。
パート | 内容 | 問題数 | 割合 |
---|---|---|---|
パート1 | 写真描写 | 6 | 6% |
パート2 | 応答 | 25 | 25% |
パート3 | 複数人の会話の把握 | 39 | 39% |
パート4 | 一人の会話の把握 | 30 | 30% |
パート5 | 短文穴埋め | 30 | 30% |
パート6 | 長文穴埋め | 16 | 16% |
パート7(シングル) | 長文読解 | 29 | 29% |
パート7(ダブル) | 長文読解 | 10 | 10% |
パート7(トリプル) | 長文読解 | 15 | 15% |
TOEICの試験対策は点数配分が多いところから
最近、スコアが伸び悩んできた…
TOEICの試験対策が上手くいかないなぁ。
TOEICをやっていると500点〜600点台で頭打ちしてしまうことがあります。
その悩みも点数配分を考えてみることで、解決できるかもしれません。
こちらのグラフから分かるように、500点〜600点はTOEICのマス層と言われています。
多くの受験者がこのスコア帯に分布し、600点以上の獲得者の人数が減少に転じることが分かりますね。
このあたりは、TOEICのスコアアップの壁になりやすいところ。
もしも、このような状態に陥っているのなら、一度チェックするべきことがあります。
リーディングの正答率が悪い場合
何度も受験しているのにスコアが頭打ちしている人にお聞きしたいのですが、
リーディングは最後の問題まで丁寧に読めていますか?
Part7の途中で時間切れしていることが多いかも?
ななめ読み・スキミングをしてなんとか最後まで回答してます!
でも、丁寧ではないかな〜
TOEICのリーディングは難しい…
過去の試験データをみても、リーディングはリスニングよりも平均点が低く、難易度が高いことが分かります。
第247回 | リスニング | リーディング | 合計 |
---|---|---|---|
平均スコア | 320.6 | 260.6 | 581.2 |
実は、TOEICのスコアの伸び悩みはリーディングが原因であることが多いんです。
そのため、リーディングの攻略を、点数配分の観点から考えてみます。
Part | 内容 | 問題数 | 割合 |
---|---|---|---|
Part5 | 短文穴埋め | 30 | 30% |
Part6 | 長文穴埋め | 16 | 16% |
Part7(シングル) | 長文読解 | 29 | 29% |
Part7(ダブル) | 長文読解 | 10 | 10% |
Part7(トリプル) | 長文読解 | 15 | 15% |
リーディングの点数配分をもう一度見ると、Part5やPart7(シングル)の割合が多いことが分かります。
この部分は、効率的に稼げるパートです。
リーディングは時間厳守が命
TOEICに出てくる英単語や文法表現は、そこまでレベルが高いものではありません。
中学校〜高校レベルの英語がほんどですので、ある程度の英語学習者であれば、ゆっくり回答すれば問題なく正解を導き出せることが多いです。
しかし、TOEICのリーディングが難しい理由はとにかく時間がないことです。
私が4ヶ月という短期間で860点を獲得できた理由は、英語力よりも『時間配分の理解』と『点数配分の多いパートの攻略』に重きをおいて対策したからです。
戦略的な時間配分については【うまくいかない人】TOEICの時間配分のコツ【意識を変えよう】の記事を見てください。
試験対策としてはご覧のとおりです。
- Part5の正答率を上げるための学習と1問20秒を厳守する
- Part7(シングル)の簡単そうな問題の選別と時間厳守をする
パイの大きいところから効率的に
TOEICのスコアアップを効率的に目指したいなら、闇雲に英語を勉強するだけでは十分ではないかもしれません。
釣りをするなら、魚がたくさんいる場所を探しますよね?
TOEICも同じように、配点の割合が多いところを集中してテスト対策をするのが、圧倒的に効率が上がります。
初心者が集中してテスト対策するべきパート
1問の点数の価値は同じではない
TOEICはどの問題に正解しても同じ得点となります。
しかし、その1問の価値は異なります。
- Part2(応答問題)&Part5(文法問題):所要時間が短い
- Part7(長文読解問題):所要時間が長い
所要時間で考えれば効率的に得点が狙えるパートの価値は非常に大きいと言わざるを得ません。
この観点から考えればPart2とPart5のテスト対策を優先するほうが良いでしょう。
パート | 内容 | 問題数 | 割合 |
---|---|---|---|
パート1 | 写真描写 | 6 | 6% |
パート2 | 応答 | 25 | 25% |
パート3 | 複数人の会話の把握 | 39 | 39% |
パート4 | 一人の会話の把握 | 30 | 30% |
パート5 | 短文穴埋め | 30 | 30% |
パート6 | 長文穴埋め | 16 | 16% |
パート7(シングル) | 長文読解 | 29 | 29% |
パート7(ダブル) | 長文読解 | 10 | 10% |
パート7(トリプル) | 長文読解 | 15 | 15% |
とにかく効率性を求めたい初心者はPart2とPart5を集中してテスト対策すれば、TOEICテスト全体の55%のスコアにリーチできる可能性があるのです。
ただし、特定のパートに特化して勉強をしてもすぐに頭打ちになってしまうため、結局のところ全体をバランスよく学習する必要はありますね。
とはいえ、TOEICの配点の仕組みを知っておけば、どのパートに点数が集中しているのか、テスト対策に力を入れるべきパートを理解できるようになります。
というわけで今回は以上です。
少しマニアックな話になってしまいましたが、知っているのと知らないのではテスト対策に力の入れ方に天と地の差があるかと思います。
コメント