TOEICとは何か知りたい人
「TOEICは英語の試験だと聞いたけれど、どんなテストなんだろう?テストの概要と内容を知りたいな。せっかくならTOEICを就職活動やキャリアアップに活かす方法はありますか?」
このような質問にお応えします。
この記事で分かること
- TOEICはL&RとS&Wなど5種類のテストの違い
- TOEICの点数や問題数に関するテストルール
- TOEICの点数と英語レベルの関係性
- TOEIC リスニング&リーディング パート別の特徴と例題
- TOEICを就職活動やキャリアアップに活かすために必要なスコア
TOEICとは?テストの概要
「トーイック」や「トイック」などの読み方があるTOEICは「Test Of English International Communication」の略称です。日本語に直すと「国際的なコミニュケーションのための英語テスト」になります。
TOEICはとにかく日本で人気抜群の英語試験です。
2019年の国内での受験者はなんと220万人!これは世界一だそうで、日本人はめちゃくちゃTOEICを受験しています。
どうして日本人はTOEICを受験するのか?
その理由はTOEICが就職活動やキャリアアップでプラス評価に繋がりやすいからでしょう。
また、社員教育に英語学習を取り入れている企業が増えてきていることも背景にありそうです。
グローバル化によって今後も英語の重要性は増加していきそうですし、何よりも自分の英語力を手軽に証明できるTOEICの存在価値はますます高まるはずです。
そのためこの記事では、これからTOEICの受験を検討している人が知っておくべき情報をまとめました。
TOEICはL&RとS&Wなど5種類のテストがある
TOEICには実は全部で5つのテストがあります。
TOEICとしてよく知られているのはL&R(Listening&Reading)ですが、S&W(Speaking&Writing)の他にTOEIC Bridgeなども受験することができます。
どれを受験すれば良いんだろう?
これだけあると悩んでしまうかもしれませんが、その心配はありません。
これからTOEICを受験しようと考えている人なら、最も人気のある『TOEIC TestsのL&R』にまずは挑戦しましょう。
受験者が多く参考資料も充実しています。
就職活動や転職などのキャリアアップにも有利であることが、L&Rをおすすめする理由です。
TOEICや英語学習に自信が付いてくれば、S&WやTOEIC Bridgeなどにも手を伸ばすと良いかと思います。
ちなみに、個人で申し込んで受験するTOEICは『公開テスト』、会社や学校などの団体で申し込んで受験するTOEICは『IPテスト』と呼ばれます。
- 公開テスト:個人で申し込んで受験
- IPテスト:団体で申し込んで受験
受験料やテスト日程など細かな違いはあるものの、公開テストとIPテストの難易度はまったく同じです。
TOEIC L&R(Listening&Reading):英語で『聴く』ための能力と、『読む』ための能力を判定するテストです。国内で年220万人が受験する人気の英語試験。
TOEIC S&W(Speaking&Writing) :英語で『話す』ための能力と、『書く』ための能力を判定するテストです。国内で年4万人前後しか受験者いない発展途上の試験です。
TOEIC Speaking:英語で『話す』ための能力を判定するテストです。20分間の会話力を測る試験であり、受験者数の公表もありません。TOEICではあまり人気がないようです。
TOEIC Bridge:IIBCの公式サイトによると『初心者と中級者の「聞く」と「読む」英語力を測る』ことを目的にしたテストのようです。公開テストと同様にBridge TestsにもL&RとS&Wの2つがあります。問題数は公開テストに比べると少なく、所要時間も短めです。出題される問題の難しは公開テストとBridge Testsで同一。カジュアルにTOEICを受験したい人向けに提供されているテストかと思われますが、2019年のテスト状況を見ると16万3千人が受験し、そのうち16万人が団体受験(企業や学校)であるため、個人にはあまり人気がない様子です。
TOEICのテストルール
ここからTOEICのテストルールについて説明をしていきます。
今回は国内で非常に人気の高いTOEIC L&R(以下、TOEIC)についてのテストルールを解説します。
採点方法
TOEICは前半のリスニング・セクションと、後半のリーディング・セクションの2部構成となっています。それぞれのセクションで5〜495点の5点刻みで点数(スコア)が計算され、それぞれのセクションの合計がトータルスコア(公式認定証に記載される点数)となります。
セクション | 最低点 | 最高点 |
---|---|---|
リスニング | 5 | 495 |
リーディング | 5 | 495 |
合計 | 10 | 990 |
ご覧のようにTOEIC全体のスコアにおける最低点は10点、最高点は990点です。
スコアは統計処理がされる
TOEICは受験するテスト回によって、出題される難易度が異なります。
つまり、簡単な回と難しい回が存在するわけです。
そのため、過去の公開テストの正答率を元に統計処理されたスコアが受験者に返される仕組みになっています。
「今回は自信があったけど点数が悪い」「自信が無かったけど点数が良い」という自己評価と真逆の結果になる「TOEICあるある」はこのようにして発生します。
受験する回の難易度によって発生するラッキーとアンラッキーの影響を、できるだけ減らす工夫がされている訳です。
時間制限と問題数・回答方式
こちらはTOEICの制限時間と各パートの問題数です。
リスニング・セクションは45分でPart1〜Part4まで全部で100問出題されます。リスニングは強制的に問題が進んでいくため、残り時間を気にする必要はありません。
リーディング・セクションは75分でPart5〜Part7まであり、同じく100問の設問が出題されます。リーディングは残り時間を気にしながらやる必要があります。
テストが始まったら休憩はない
リスニングとリーディングの間に途中休憩は無いため、2時間ぶっ通しで英語に向き合う覚悟が必要!
とはいえ、本番が始まれば2時間はあっという間に終わります。
むしろもっと時間が欲しいと感じる受験者が大半ではないかと思います。
マークシート方式で回答する
回答方法はマークシートの所定の箇所を黒丸で塗りつぶす方式が採用されています。
英文を書いたりすることは一切ありません。
日程と受験料
TOEICは年間10回の受験チャンスがあります。
毎年2月と8月は慣例的にTOEICの開催がありません。
2020年はソーシャルディスタンスが重要視されたこともあり、3月から7月までの試験は中止されていました。9月から試験が再開されるようですが、抽選に当たった人だけが受験できるそうです。
TOEICの受験料は公開テストの場合は税込み7,810円、IPテストを受験できるなら4,230円または3,680円となっています。
TOEICは条件によって受験料が異なる
TOEIC (通常) | TOEIC IP 受験者499人以下 | TOEIC IP 受験者500人以上 |
---|---|---|
7,810円(税込) | 4,230円(10%) | 3,680円(10%) |
詳細情報は「TOEIC L&Rの受験料について【検定料に割引制度があること知ってました?】」という記事にまとめていますので、必要であればご利用ください。
TOEICの点数と英語レベルの関係
TOEICのスコアアップを目指す中で気になる点数(スコア)や英語レベルについて解説をします。
平均点
IIBCのこちらの公式ページに過去の公開テストの平均点が記載されています。
年間220万人が受験するTOEICの平均はどれくらいでしょうか?
過去の10回分の公開テストの平均点を調べてみました。
10回分の平均スコアは587点でした。
TOEICは5点刻みですので590点と言い換えても良さそうですね。
リスニングとリーディングの平均スコアもグラフにしてみました。
どのテスト回もリスニングの方が50点〜60点ほどスコアが高いことが分かります。
つまり、リーディングで苦戦している人が多いということです。
これからTOEICを頑張る人は、このあたりの点数を目標にしながらリーディングに力を入れて勉強すると良いかもしれませんね。
スコア帯別の割合
こちらは第247回の公式サイトのスコア帯別の受験者割合を示すグラフです。
こちらも公式サイトで開示されているデータを利用して、当サイトで見やすくグラフにしてみました。
このグラフから以下のような特徴があることが分かります。
- 545点〜590点のスコア帯がTOEICのマス層である
- 545点〜590点までスコアは上がりやすいと予想される
- 595点を超えるとスコアアップは難しくなると予想される
- 845点を超えるのはもう一段回ハードルが上がると予想される
ちなみに900点の壁を超えられるのは全体の3%以下と言われています。
英検と比較した英語レベル
TOEICの600点は英検の何級くらいですか?
英語試験といえば英検と答える人も多いはずです。
達成したTOEICスコアが英検では何級に該当するか気になることもあるでしょう。
文部科学省からこのような各英語試験の対照表が示されています。
TOEICは『聴く』と『読む』に特化した英語試験ですが、英検は『話す』『書く』という技能も評価されます。そのためこちらの対照表ではTOEIC S&W(Speaking&Writting)の点数も加算されています。
TOEIC S&Wの最高点は400点なので、英検1級程度の英語レベルをTOEICで証明するのは、かなりレベルが高いと言えるでしょう。
英検1級とTOEIC990点はどちらが簡単?
英検と比較するとこのような疑問を感じるはずです。
結論から言えば、おそらくTOEICで990点を目指すほうが簡単だと思います。
理由は2つ
- TOEICにはSpeaking(話す)とWriting(書く)の試験がない
- TOEICに必要な英単語は英検1級の半分程度
特に語彙力の観点から考えると、TOEICで990点を目指すほうがリーズナブルといえます。
ただし、英検の場合は7割以上の正答率があれば合格できるのに対して、TOEICで990点を目指す場合、1問でも間違えると満点になりにくいという難しさがあります。
ちなみに、TOEICで1〜2問を間違えても統計処理によって満点になることもあるそうです。
TOEIC リスニング・セクションの特徴
ここからリスニング・セクションの各パートの特徴を例題を使って解説していきます。
Part1 | Part2 | Part3 | Part4 |
---|---|---|---|
写真描写 | 応答問題 | 会話問題 | 説明文問題 |
6問 | 25問 | 39問 (1つの会話に設問が3問) | 30問 (1つの説明に設問が3問) |
1枚の写真に映し出されている人物の行動や風景の特徴について、正しく述べられた選択肢を選ぶ | 短い質問やコメントに対して、正しい応答の選択肢を選ぶ | 2人または3人の会話を聞いて、設問で問われている内容と合致する選択肢を選ぶ | 1人のスピーチや説明を聞いて、設問で問われている内容と合致する選択肢を選ぶ |
Part1:写真描写の問題
Part1 は人物や風景の写真を見ながら、正しい描写のアナウンスを選択します。
全部で6問が出題されます。
このような写真が問題用紙に印刷されています。
設問の間に数秒前もって写真を見ることができるので、人物の行動や特徴などを把握します。
その後、下記のような選択肢が英語でアナウンスされます。
これらの選択肢は実際には問題用紙に記載されていませんので聞き逃さないようにしましょう。
(選択肢の音声)
- (A) A woman is leaving a telephone message.
- (B) A woman is wearing a mask.
- (C) A woman is talking to someone.
- (D) A woman is changing clothes.
正解は(B) A woman is wearing a mask.「女性はマスクを着けている」です。
選択肢(D) A woman is changing clothes.「女性は着替えている」のように選択肢にclothes「衣服」という英単語を混ぜて、受験者の間違えを誘おうとする設問が多いです。しっかりと聞き取りをする必要があります。
その他、Part1でよく出てくる写真描写にはこのようなものがあります。
- A woman is walking by the lake. 「女性が湖の側を歩いている」
- People are watering flowers.「人々が花に水をやっている」
- Some chairs are placed around the table.「いくつかの椅子がテーブルの周りに置かれている」
Part2:応答問題
Part2は最初に1人の質問や発言を聞き、別のもう1人の応答として正しい選択肢を選ぶ問題です。
全部で25問が出題されます。
Part2も選択肢は問題用紙に記載されていません。
一度しか流れないアナウンスを聞き逃さないようにしましょう。
Part2の簡単な設問
(設問の音声)
- Where are you from?
(選択肢の音声)
- (A) I am fine, thank you.
- (B) From Japan.
- (C) By my car.
正解は(B) From Japan.「日本から」です。
Part2にはこういった簡単な設問も散りばめられているので確実に正解したいですね。
Part2の難しい設問
(設問の音声)
- Should I accept this job offer from the company?
(選択肢の音声)
- (A) If I were you, I do.
- (B) The company is located at the center of the town.
- (C) You need a manuscript for it.
正解は(A) If I were you, I do.「私が君の立場なら受け入れる」です。
このように仮定法が出てくると、問題の難易度が一気に上昇します。悩むと次の設問に影響するので諦めも肝心です。
ちなみに、(B) The company is located at the center of the town.「その会社は街の中心部にある」は選択肢にcompanyを入れて間違いを誘っています。
更に(C) You need a manuscript for it.「そのために原稿が必要だよ」は設問のjob offer「求人」をヒントにしている受験者をmanuscript「原稿」を入れてresume「履歴書」と混同させて間違えを誘っています。
このような難問は1〜2問ほど出る可能性があります。
Part3:会話の問題
Part3は2人または3人の会話を聞いて、その後に流れる質問に対して正しい選択肢を選ぶ問題です。
1つの問題に3つの設問が用意されています。全部で13の会話があるため合計39の設問に回答します。
設問と選択肢は問題用紙に記載されています。
設問の間に8秒ほどインターバルがあるため、テンポ良く回答していけば事前に内容を把握することが可能です。
Part3の例題
(会話の音声)
男性: Hello, I ordered three different types of dictionaries from your bookstore 5 days ago, but I think I haven’t received them yet. Could you check the order, please?
女性: I am really sorry about it. I will check your order. May I ask your order number, sir?
男性: It’s 00123.
女性: Thank you. The order is in transit and located near your house. You maybe receive the order today.
男性: That’s great. Can I track the order just in case?
女性: Yes. I’ll tell you the shipping number.
問題用紙(設問のみ音声が流れ、約8秒後に次の設問の音声が流れる)
No.32 What product are the speakers talking about?
- (A) Some books
- (B) Some chairs
- (C) Some cases
- (D) Some computers
No.33 Why does the man call the woman?
- (A) To offer her new jobs
- (B) To explain new order systems
- (C) To ask her about orders
- (D) To send message cards
No.34 What does the woman probably do next?
- (A) Check a bank account
- (B) Let him know a shipping number
- (C) Go to a bookstore
- (D) Pick up a package
このような会話が13問連続で続き、39の設問に答えていきます。
会話によって難易度が異なります。分からない設問は無理をせずに次の設問のために気持ちを切り替えましょう。
この例題の正解はNo.32は(A) some books「いくつかの本」、 No.33は(C) To ask her about orders「注文について女性に尋ねる」、No.34は(B) Let him know a shipping number「男性に発送番号を知らせる」です。
Part3のポイント
会話の音声が流れる前に少し時間があります。3つの設問と選択肢に目を通しておき、どんな内容の会話が始まるか理解しておくとスムーズに回答しやすくなります。
Part4:説明文問題
Part4は1人がするスピーチまたはナレーションの説明を聞いて、その後に流れる質問に対して正しい選択肢を選ぶ問題です。
Part3と似ていますが、1人だけの音声で話が進むため話の展開を整理しにくい特徴があります。
全部で10の問題が用意されており、設問は合計で30問です。
設問と選択肢は問題用紙に記載されています。時間がある場合には前もって読むこともできます。
Part4の例題
(スピーチまたはナレーションの音声)
男性:Hello, My name is Jeff Styler. Thank you for inviting me to your company’s ceremony. I am most grateful for your warm hospitality today, and I want to express congratulations for Lawrence Technology 20th anniversary. Jim Lawrence , your company’s CEO and I have been friend for more thirty years. We first met in the cafeteria in London university. Both of us were interested in computer technologies, and we often discussed how computers would continue to evolving in the future. Now my friend’s company has become one of the most famous manufacturers in a computer industry. Again, congratulations Jim!
問題用紙(設問のみ音声が流れ、約8秒後に次の設問の音声が流れる)
No.71 Where is the speech taking place?
- (A) At a wedding party
- (B) At a client meeting
- (C) At a company ceremony
- (D) At a computer workshop
No.72 Who is Jim Lawrence?
- (A) A famous musician
- (B) A chief executive officer
- (C) A computer journalist
- (D) A university student
No.73 According to the speaker, what Jeff Styler and Jim Lawrence had in common?
- (A) They worked in the same company.
- (B) They were same university students.
- (C) They run computer companies.
- (D) They had a mutual friend.
このようなスピーチやアナウンスが10回連続で続き、30の設問に答えていきます。
この例題の正解はNo.71は(C) At a company ceremony 「会社の式典」、No.72は(B) A chief executive officer「最高経営責任者」、No.73は(B) They were same university students.「彼らは同じ大学の学生だった」です。
Part4のポイントはPart3と同様に、前もって設問と選択肢に目を通しておき、スピーチやナレーションの内容をおおよそ把握することです。
また出題形式が似ているPart3とPart4の共通事項として、画像のように問題文のヒントになる箇所は、だいたいどの問題でも設問の順番に並んでいます。
設問の位置関係が順不同であることは全体の数問程度であり、最初の設問は問題文の中で早々に出てくることが多いと、私がTOEICを受験してきた経験からも言えます。
TOEIC リーディング・セクションの特徴
リーディング・セクションはご覧のような3つのパートに分かれています。
Part5 | Part6 | Part7 |
---|---|---|
短文穴埋め問題 | 長文穴埋め問題 | 長文読解問題 |
30問 | 16問 | 54問 |
文法や語彙力に関する穴埋め問題 | 長文を読んで前後のパラグラフを自然に繋ぐ選択肢を選ぶ問題 | 1〜3のパッセージを読んで設問と整合性のある選択肢を選ぶ問題 |
リスニング・セクションが終了した瞬間から、リーディング・セクションが始まります。
すぐに気持ちの切り替えが必要です。
Part5:短文穴埋め問題
Part5は文法や語彙を中心とした短文穴埋め問題です。
全部で30の設問が用意されています。
Part5の例題
No.101
This strong wind is ( ) in this season around the region.
- (A) capital
- (B) potential
- (C) social
- (D) typical
No.102
This strong wind is ( ) typical in this season around the region.
- (A) obvious
- (B) obviousness
- (C) obviously
- (D) most obvious
このような問題が連続で出題されます。
No.101は語彙の問題で正解は(D) typical「特有の」、No.102は品詞の問題で正解は(C) obviously 「明らかに」です。
Part5のポイント
選択肢を見てどのような問題か把握してから設問を読みましょう。
設問はできる限り読み返さないこと。
テンポ良く回答していく方が良いです。
途中で考え込むと他の問題に使える時間を消耗してしまいます。
Part5に出てくる文法表現や英単語は知らないと、ほとんど正解にたどり着けません。
そのため、文法と語彙を継続して勉強する必要があるでしょう。
Part6:長文穴埋め問題
Part6は全部で4つの長文が用意されています。
比較的長めの文章に4箇所の空白が設けられていて、設問は合計16問です。
前後のセンテンスとのバランスを見て、自然な流れになる選択肢を選ぶ必要がある点がPart5との違いです。Part5より難易度は上がりますが、文章から得られるヒントも多いと言えるでしょう。
Part6の例題
Question 131 -134 refer to the following notice.
The annual New-west city public marathon will be held next Sunday, October 10, from 10:00 A.M. to 14:00 P.M. All residents can participate the event (__131__) reservation. If you are interested in joining us, please come to the city hall at 9:45 A.M. Participants need to bring running shoes and clothes (__132__) for the half-marathon. There is no participation fee (__133__) we really appreciate any sincere donations from runners for managing the event. At the end of the event, awards ceremony will be placed at the starting point. (__134__)
No.131
- (A) despite
- (B) without
- (C) as of
- (D) even if
No.132
- (A) suitable
- (B) considerable
- (C) regrettable
- (D) positive
No.133
- (A) moreover
- (B) therefore
- (C) however
- (D) in other words
No.134
- (A) We are waiting for your participation.
- (B) The last event was successful.
- (C) We appreciate many volunteers during the event.
- (D) We know you are good at running.
このような問題が連続で続きます。
文脈にマッチした英単語や、センテンスを繋ぐための自然な接続詞を文章の流れから選択する必要があります。
No.134のように空白に少し長めのフレーズを入れる問題は、文章全体を把握する必要もあり難易度が高めです。
この例題の正解は、No.131は(B) without 「〜なしに」、No.132は(A) suitable 「適している」、No.133は(C) however「しかし‥」、そしてNo.134は(A) We are waiting for your participation.「あなたの参加をお待ちしています」です。
Part6のポイント
語彙力を試す設問であれば、1つのセンテンスだけで答えを導きだせることもあります。
しかし、センテンスを繋ぐ接続詞の問題や、適切なフレーズを選択する問題は部分的な情報だけで答えに行き着くことが難しいです。最初から最後まで丁寧に問題文を読んで、設問に回答することが大切です。
Part7:長文読解問題
Part7はメールや新聞など比較的長い文章を読んで、設問に対して正しい選択肢を選ぶ問題です。
Part7はパート内でも出題内容が細分化され、情報源を最大3つまで増加します。
- 情報源が1つのシングルパッセージ
- 情報源が2つのダブルパッセージ
- 情報源が3つのトリプルパッセージ
15問の文章が用意されていて設問は全部で54問です。
Part7の例題
こちらはPart7に必ずと言っていいほど出題されるシングルパッセージのメール返信の文章です。
この例題の正解は、No.143は(C) She meets a client「彼女は顧客と会う」、No.144は(D) Make records「録音する」です。
このような問題が連続で15問続きます。
ダブル、トリプルパッセージなどは文章が複数に別れており、全ての文章を読まなければ正しい答えに行き着くことができないようになっている設問もあります。
Part7のポイント
順番に回答していく必要はないので、初心者のうちは簡単そうな問題から進めていきましょう。
文章の読み直しを何度もしていると必ず時間不足になります。
まずは、設問を読んでどのようなことが問われているのか確認してから、問題文を読み進めていきヒントになる箇所に来たら回答を考えます。
2つのパラグラフ(段落)になっていて、設問も2つというような問題はヒントがそれぞれのパラグラフに分散されていることが多いです。
以上がTOEICのリスニングとリーディングの問題の特徴です。
TOEICを就職活動やキャリアアップに活かすために必要なスコア
TOEICは簡単に高得点を達成できるほど優しい試験ではありませんので、しっかりと計画を立てて勉強に取り組む必要があります。
そのようなTOEICを頑張る理由の1つは、TOEICが就職活動やキャリアアップにおける評価対象になる点です。
TOEICの点数(スコア)から見る英語レベルは?【100点ごとの目安を解説します】で詳しく解説をしていますので、ここでは簡単に説明をします。
履歴書に書ける点数は500点から
TOEICスコアは何点なら履歴書に書けますか?
このような疑問を持っている人は多いはず。
特に記載できる点数は決まっていませんが、就職活動や転職活動でプラス評価として扱ってもらえる点数は500点以上かと思います。
これはTOEICの平均点が540〜580点であることが理由です。
そのため、履歴書に495点未満のスコアを書く必要は特段なさそうです。
あまり低いスコアを履歴書に書いてしまうと、逆に英語が出来ないと判断される可能性が残念ながらあります。
就職活動に有利な点数
就職活動でTOEICスコアを活用したければ、その業界の平均点以上のスコアを目指しましょう。
IIBCの公式サイトには業界別の平均点が掲載されています。
緑が新入社員、青が一般社員です。高い方のスコアを履歴書に書くことができれば、企業の注目を引ける可能性が高まるはずです。
商社、マスメディア、公共団体などは平均点が高いことが分かりますね。
その業界でそもそも英語が必要なのかも、TOEICを有効活用できるかの大きな要因です。
キャリアアップに必要な点数
昇進や昇格といったキャリアアップにもTOEICのスコアが影響を与えることがあります。
TOEICを昇進や昇給の要件(参考)にしている日本企業では、課長や部長などの管理職に対して530点以上のスコアを求めているようです。
また、所属する部署によっても期待するTOEICスコアが異なり、特に海外部門では690点以上という高いスコアが求められています。
TOEICを頑張るということは、就職活動やキャリアアップなど多くの場面でチャンスが広がることがお分かり頂けましたでしょうか?
TOEICとは? まとめ
以上がこれからTOEICを受験する人が知っておくべき情報です。
ここまでの内容を更にまとめてみます。
この記事のまとめ
- TOEICは日本国内で毎年220万人が受験する人気の英語試験
- TOEICの種類は5種類あるが初心者はまずTOEIC L&R(Listening&Reading)がおすすめ
- リスニングとリーディングの2つのセクションがある
- 最低10点、最高990点でスコア表示され過去のテストの難易度によって統計処理がされる
- TOEICの過去10回のテストの平均スコアは590点
- リスニングとリーディングの各パートで出題形式が異なる
- 就職活動やキャリアアップに有利なTOEICスコアが存在する
このあたりを理解してTOEICの勉強を進めていきましょう。
そして、受験をする前に「どれくらいの期間で、どれくらいのスコアを達成したい」かという目標を設定することをおすすめします。
英語が苦手だけどTOEICの点数を上げる必要がある人も大勢いるはずです。効率的に必要な勉強をすればTOEICのスコアを短期間でアップさせることは可能です。
最後に私の経験を話しますと、10年以上のブランクを乗り越えて2019年に4ヶ月で860点を達成することができました。
このブログでは、この経験を活かした本当に効率的なTOEICの勉強法に関する記事をたくさん掲載しています。宣伝のようになってしまって恐縮ですが、TOEICの勉強に当ブログをご利用頂ければ幸いです。
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