TOEICで満点を目指したい人
「TOEICを完全にマスターして990点を達成したい!実現すれば、どれくらい凄いことなんだろう?周りに990点ホルダーがいないから、どうやって勉強したのか聞くこともできない…誰か代わりに教えてくれないかな?」
こういった要望にお応えします。
この記事の内容
- TOEICの満点は990点
- 満点を取るのに全問正解しなくて良いこともある
- TOEICの満点は全体の1%以下のすごさがある
- 990点ホルダーが教えてくれたリスニングの勉強方法
- 990点ホルダーが教えてくれたリーディングの勉強方法
- TOEICで満点は就職に役立つかは疑問あり
TOEICの満点990点を目指すには?
皆さん、こんにちは。IF30のほろほろ(@investfrom30)です。
私の勤めている会社では、TOEICが昇進の条件になっていることもあって、高得点ホルダーがたくさんいます。今回は、過去に数回990点を達成している先輩に、どのような学習をしているのか聞いてみました。
皆さんはTOEIC990点にどのようなイメージを持っていますか?
TOEICの満点ってどれくらいすごいの?
そもそも最高点ってどれくらい?
満点を取れる人ってどんな勉強をしてるんだろう?
やっぱり、留学や海外経験がないと厳しいのかなぁ?
TOEICの満点が気になる人は、きっとこのような疑問をお持ちのはず。
または、
TOEICで満点を達成した私は、どれくらい凄い人なんだろう?
と、その実力を確認しにやって来た強者(つわもの)のどちらかでしょう。
その両方のニーズにお応えてしていきます。
それでは、話を進めていきましょう。
TOEICの最高得点
まずは、TOEICの満点は990点であることから説明をしていきます。
TOEICの公式サイトにあるスコア表を確認すると、リスニング100問・リーディング100問の合計200問の設問に対して、最高得点は990点となっていることが分かります。
つまり、リスニングとリーディングの2セクションで、それぞれ495点ずつのスコアを叩き出せば、TOEICで満点を取れることになります。
満点を取るのに全問正解しなくて良いこともある
TOEICの満点を考える時に、多くの人が勘違いしていることがあります。
TOEICでは出題される200問すべてに正解しなくても、場合によって満点が取れます。
設問を間違えても満点が取れる?
なんだか分からなくなってきましたけど…?
そうなんです。このあたりはTOEIC試験のややこしいところですね。
TOEICのスコアは統計処理されている
この疑問を紐解くにはTOEICの採点方法を説明する必要があります。
TOEICを受験した後に、送られてくるハガキに記載されたスコアは修正が加えられた点数ってご存知ですか?
これは、TOEICのスコアに信頼性を持たせるために、過去に開催された試験の難易度を統計処理して、最新の試験のスコアに反映させる方法を取っているためなんです。
スコアを勝手に修正するなんてヒドい!平等じゃない!
こんな不満の声が聞こえてきそうですが、この統計処理は、とても合理的なスコアリングのシステムです。
例えば、試験が全体的に簡単な回に申し込めた受験者と、難しい回の受験者のスコアが同一に扱われたらどうですか?
「簡単な回に受験できた!」と喜ぶ受験者の顔を想像できますが、これではTOEICは運要素がある試験になってしまいます。
統計処理することで、こういった不公平を是正しているんですね。
その回の難易度によって、最終的なスコアが変動するため、以下のような現象が発生する可能性もあります。
- 難しい回では全問正解でなくても990点を取れる
- 簡単な回では全問正解していても990点を取れない
ただし、TOEICで満点を取るには高い正答率が必要ですので、かなり難しいことに変わりないことをお忘れなく…。
TOEICの満点は全体の1%以下のすごさがある
TOEICの勉強を始めて700点〜800点のスコアが見えてくると、
オレってもしかして、990点目指せるんじゃない?
という、変な自信が付いてしまうことがあります。
しかし、ここから満点を目指すのなら、修行の旅に出る覚悟が必要です。
TOEICで990点の満点を取れる受験者の割合は、全体の1%以下ではないかと言われています。
このあたりは公式データが存在しないため、推察レベルになりますが、とにかく超絶シビアな世界です。
澤田賢治氏がツイッターに上げている990点のスコア表の右上に、リスニングとリーディングの[Percentile rank 99%]と記載されています。
TOEIC990点は、年に何度か達成するのだけど、
— Kenji🏀スパルタZOOM英語塾 (@kenjordan55) November 24, 2019
「真の満点」=「LとR両方でのアビメ100%」は、
正直、なかなか出ない。
実のところ、今年度はまだ達成しておらず、
11月、12月は申し込まなかったので、
10月が最後のチャンスだった。
結果は、、、
先ほど、ギリギリ逃していたことが判明。。。ortz pic.twitter.com/MUTq1E2e8h
99%の受験者より成績が良い。
つまり、990点の満点を叩き出した集団は全体の1%以下ということです。
TOEICの800点ですら高い壁
990点を目指す以前に、TOEICでは800点が高い壁になっていることを示すデータが存在します。
こちらは第247回のスコア帯の分布グラフを当サイトでまとめたものです。
TOEIC受験者のマス層である545点〜をピークに、その後の分布割合が減少していく様子が分かりますね。
特に、795点〜のスコア帯が全体の5.7%であるのに、次のスコア帯である845点〜は全体の4%と下落幅が大きくなります。
つまり、TOEICにおいて800点を超えるのが、そこそこ大変なんです。
まだ、800点を到達していない状態で、990点を目指している方は、先にこの壁をクリアしなくてはいけません。
満点ホルダーが教えてくれたリスニングの勉強方法
私は新TOEICになってから、860点で受験をストップしているため、会社の先輩(早稲田大学卒)に話を聞いてきました!
先輩はTOEICを定期的に受けていて、990点を何度か達成しており、ここ数年900点以上をキープしているTOEICマスターです。
TOEICで満点を取るにはコツがあるよ。
リスニングから説明するけど、『TOEIC英語』に耳を完全に慣れさせて、パートごとにアプローチ方法を変えた方が良い。
TOEIC英語に耳を慣らす
先輩が言うには、TOEICはリスニングの方がリーディングより簡単だそうです。
それは、TOEICのリスニングにはこのような特徴があることが理由。
- 比較的ゆっくりとしたスピード
- 単語ごとの発音が聞き取りやすい
- 専門用語が出てこない
- スラングがない
- 発音の崩れがほとんどない
そのため、『TOEIC英語』として耳を慣らす必要性を教えてくれました。
先輩は、TOEICに関係する問題集のリスニングCDを聞き続けることで、リスニング対策をしていたみたい!
基本的に公式問題集のリスニングCDを利用して、移動中や事務作業中に聞き流ししていたそう。
最初の頃は、CDを聞きながらパートごとに模試試験をやっていき、耳が慣れてくれば『倍速アプリ』を利用して、どんどん聞き取りのスピードを増やすと効果的だと分かりました。
聞き流しやリスニングの勉強はどれくらいの時間やってましたか?
ボクは海外留学もしたことないから、英語のド素人だったけど、1日3〜4時間、同じCDを繰り返し聞いていたよ。
公式問題集にCDの内容が英文で載ってるから、最初は文字を追いながらやっていたかな。
それを2ヶ月くらい続けたら、聞き取りできるようになってきた。ちなみに、いまでも聞き流しは続けているよ。
努力の塊ですね…!
ちなみに、ディクテーションはやりましたか?
ボクはやらなかったなぁ〜
車の運転をしながら聞き流すことも多かったから、代わりにシャドーイングをしていたね。
パートごとにアプローチを変えている
TOEICリスニングは4つのパートに分かれていますが、先輩が言うにはパート1・2とパート3・4というグループに別けて、アプローチ方法を変えているみたい。
パート | 内容 | 問題数 |
---|---|---|
パート1 | 写真描写 | 6 |
パート2 | 応答 | 25 |
パート3 | 複数人の会話の把握 | 39 |
パート4 | 一人の会話の把握 | 30 |
パート1・2はキーワードを聞き取る
こちらのグループは、読み上げられるアナウンスの中のキーワードを拾っていきます。
パート1では事前に写真を見ることができるため、頭の中でいくつか読み上げられる内容を思い浮かべていきます。
- 女性がランニングしている
- 木の横にベンチがある
- プールには誰も入っていない
パート2は「5W1H」を軸にしながら、キーワードを逃さないよう意識して、適切な回答を選んでいるそうです。
Where is the file Naomi submitted to us?
このような設問では、Where(どこ)が「5W1H」に該当し、File(ファイル)がキーワードになるということです。
- (A)I sent it to you by email yesterday.
- (B)The company has finally filed for bankruptcy.
- (C)I feel it is not.
正解:(A)
パート2は引っ掛け問題が多くなってきていて、先輩もこれで満点を逃すことが多いみたい。
こちらの設問は内容自体は簡単ですが、
上記の選択肢(A)のように、机の上などの具体的な場所ではなく、添付ファイルがメール上にあることを示唆したり、(B)のように[filed for bankruptcy]の[filed]に気を取らせたり、(C)のように質問に対しては、適切でないけど一見正しそうに聞こえるものが含まれていることがあります。
満点を取るには、このあたりの細かな聞き取りが大切になるようです。
パート3・4は先読みした方が良い
860点ホルダーの私は、設問の先読みをがっつりやっていますが、何度も990点を取った先輩も同じようにやっていました。
ただ、設問と選択肢を見た時に簡単そうなら、リズムを整えるために先読みしないこともあり、緩急をつけながら、このグループの問題に挑むようです。
パート3・4も引っ掛け問題が多くなっているので、そこだけ気をつけて回答するようアドバイスを貰いました。
先読みのやり方は、私がやっている方法と同じでしたので、気になる人は『TOEIC公式問題集の正しい使い方【たった3ヶ月!800点超えの方法を徹底解説します】』という記事で確認して下さい。
満点ホルダーが教えてくれたリーディングの勉強方法
満点ホルダーの先輩はリーディングもパートごとの特徴を捉えて、アプローチ方法を変えていました。
パートごとにアプローチを変える
パート5・6とパート7をグループに分けて、試験対策をされています。
パート | 内容 | 問題数 |
---|---|---|
パート5 | 短文穴埋め | 30 |
パート6 | 長文穴埋め | 16 |
パート7(シングル) | 長文読解 | 29 |
パート7(ダブル) | 長文読解 | 10 |
パート7(トリプル) | 長文読解 | 15 |
パート5・6は英語の基礎力を上げるしかない
リーディングがリスニングより難しいのは、英語の基礎力が試されるからです。
特に、パート5・6の文法穴埋め問題は、『知識が無ければ解けない』という傾向が色濃く出てしまいます。
ここはかなり気になるポイント!
どうやって勉強したんですか?
パート5・6は英語の基礎力を強化するしかないよ!
TOEICの傾向もあるから、公式問題集や参考書を利用するのが良いかな!
TOEICのパート5・6に出てくる英単語・イディオム・文法表現をすべて理解するために、文法問題 でる1000問という問題集を何度も繰り返しやってたそう!
何回も問題を解いて、すべての設問に間違えることがなくなるまで、反復練習をしていたことが分かりました…。かなりストイック!!
私もこの問題集のお世話になりました。解説がとても分かりやすくておすすめです。
肌感覚で95%くらいのパート5・6の問題をカバーできる印象。
パート7はトリプルパッセージから
先輩のリーディングの解き方は
パート5→パート6→パート7(トリプル)→パート7(ダブル)→パート7(シングル)
こんな感じで、パート7はトリプルから始めるのがポイントだとか…!
その理由は、トリプルパッセージとダブルパッセージは精読しなければ、正しい回答を引き出せないから、時間に余裕があるうちに済ませているんですって!
シングルパッセージは簡単な問題から
シングルパッセージは問題数が多いため、ページをどんどんめくって、簡単そうな問題から回答していくことが分かりました。
時間配分を徹底する
リーディングの時間配分はどうされていますか?
最近は時間を気にしなくても最後までマークできるけど、以前は「パート5は10分」みたいに制限時間を決めてやってたよ。
当サイトでは、TOEICのリーディングの各パートに時間制限を設けることをおすすめしています。すべての問題に挑戦しないと、高得点を目指せないことが理由です。
990点ホルダーであっても、ある程度の時間配分を気にしながら、やっていることが分かりました!
リーディングの時間配分の考え方について、TOEIC時間配分のコツ【リーディングの時間切れを無くす】という記事を確認してもらいました。
この時間配分で問題ないということでした!
雑に読んではいけない
先輩にスキミングやななめ読みの小手先テクニックの必要性を聞きましたが、真っ向から『不要』と叩き落とされました。
『速読✗精読』の練習を重ねるからこそ、リーディングでミスをしなくて済むようになる。
それが満点ホルダーになれた所以(ゆえん)だそうです。
恐れ入りました…!
800点ホルダーなら後は正確性だけ
私は860点なのですが、何かアドバイスありませんか?
800点を超えているなら、990点を取れる基礎力は十分にあるよ。
正確性を極めるしかないね。
ただ、「間違えられない」というプレッシャーに勝たないとダメだよ。
TOEICで満点を取るなら『正確性』を最重視する必要があるみたいです。
ほぼノーミスの回答率が必要になりますので、これは当然ですね。
800点を取れている人なら、十分に990点を目指せるという貴重なアドバイスをいただけました。
たしかに、私も860点を獲得したときには、すべての問題に挑戦することができました。
あとは、分からない問題を減らす、正しくマークするなどの正答率にこだわる必要がありそうですね。
先輩は単語帳は使いましたか?
『金のフレーズ』を時間がある時にやってたよ。
参考書はたくさん使わないほうが良いかもね。
≫ TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
TOEICで満点を取るまでにどれくらい時間がかかりましたか?
英語のド素人からスタートしたけど、TOEICを受験し始めて3年で達成したね。
800点超えたら会社から受験費が出るから、これまでに30回くらい受けたよ。
TOEICで満点は就職に役立つかは疑問あり
ここまでTOEICの満点のすごさや、達成するための大変さを説明しました。
TOEICで990点を獲得できれば、就職やキャリアアップに繋がることは間違いありません。
ただし、990点が必要なのかは『疑問あり』です。
TOEICのスコアから見る英語レベルは?【目指すスコアが分かります】の記事で説明をしているとおり、TOEICで700点を獲得していれば、多くの企業が注目してくれます。
800点を超えていれば、外資系企業からも声がかかるはずですし、大企業の大出世コースの海外赴任や海外出張も任せてもらえるようになります。
このような、就職やキャリアアップに関して、TOEICの満点が必ずしも必要ではないことは事実としてあります。
コストパフォーマンスは悪い?
TOEICで満点を取れれば、
- 真の英語力を証明できる
- TOEICを仕事にできる
- ものすごい自慢になる
いろいろとメリットは大きいですが、先述のとおり、990点に到達できる受験者は全体の1%以下の集団だけ。
一方で、キャリアに繋がる700点以上ならば、30%前後の受験者が達成できます。
「どちらのコストパフォーマンスが高いか?」で考えてみるのも、TOEIC満点に対するアプローチの方法かもしれませんね。
高得点ホルダーは実務経験の方が大切
こちらは突然カミングアウトされたことですが、
まぁ、いろいろ話をしたけど、実はボクあんまり英会話できないよ。
え?
冗談はやめて下さいよ〜
いやいや!本当だって!
だって趣味でTOEICを受けているだけだし、実務の経験もないからね。英語を仕事にしたいとも思ってないしね。
ほろほろ君が英語でキャリアアップを狙うなら、実務や英会話は頑張ったほうが絶対に良いよ。
そうでしたか!勝手に英会話もペラペラだと思ってました。
高得点ホルダーになるほど、実務経験を重視されるんですね。
990点ホルダーであっても、英会話は苦手と言われてビックリしました。
先輩は趣味でTOEICを極めているだけなので、リアルの英会話はほとんど聞き取れないんだとか…。
高得点を達成するほど、キャリアアップにおいて、相手の期待値が上昇する。
そこに実務経験がなければ、相手の期待を裏切ることになる。
ここからも、TOEICで満点を取る前、取った後に必要な行動のヒントがあると感じつつ、この記事を終わります。
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