TOEICの単語帳を探している人
「TOEICの単語帳を調べているけど、なんだかどれも良さそうだなぁ…。いろいろなシリーズがあるけれど、どれを選べば良いんだろう?選び方のコツなどありますか?スコアアップに繋がる最高の1冊を教えて下さい!」
このような疑問を解決していきます。
この記事の内容
- 単語帳選びを適当するとTOEICに関係のない勉強をしてしまう可能性あり
- TOEICは頻出単語3,000語で95%カバーできる試験
- 単語は英語学習の基礎!リスニングも加えて本物の英語力も身につけよう
TOEIC専用の単語帳をおすすめする理由
TOEICの勉強をしている人なら、単語帳を使った語彙力の強化に興味があるはずです。
「単語帳」で検索すると、『高校英単語』『英検単語』など様々な種類の単語帳が出てきます。
『5,000語』『10,000語収録!』というような数で勝負している単語帳もありますが、TOEICのスコアを効率的に上げたいなら、このような単語帳はすべて不要です。
この記事を書いている私のTOEICスコアは現在860点。
900点超えを目指して奮闘中ですが、紹介している単語帳を利用し始めて、毎回の試験で分からない単語は2個〜3個というレベルにまでなってきました。
私の経験から言えるのは、専用の単語帳を利用して、適切なボリュームで勉強するべきだということです。
この記事を読めば、効率的に語彙力を強化できる単語帳と、それを使った正しい勉強法が分かります。
TOEIC専用の単語帳とは
単語帳なんてどれも同じじゃないの?
このように考えている人もいるはず。
たしかに、英語学習の観点で考えると、単語帳はどれも似たり寄ったりという感じです。
しかし、TOEICテストにはこのような性質があるのをご存知ですか?
- 日常会話・ビジネスシーンだけを想定している
- 専門的な用語は出てこない
TOEICテストには、この2つの大原則があります。
このルールはTOEICの公開テストが開始されて十数年も変わっていません。
結果的に、出題されやすい英単語・出題されない英単語が絞れてきています。
専門用語・流行語・スラング・略語は一切出題されません。
一方で、こういった英単語を時代の移り変わりとして収録している単語帳も世の中には割と存在します。そのような単語帳を利用して、TOEICに主眼を置いた勉強をしても効率はただ下がるだけ。
正しい単語帳選びがTOEICのスコアアップに大きく影響すると言っても過言ではないでしょう。
データと経験に基づいた単語帳がおすすめ
この記事で紹介する単語帳にはこのような特徴があります。
- 筆者がTOEICを何度も受験して収録単語を決めている
- 過去の公開テストのデータを活用している
つまり、TOEIC対策に必要な英単語だけを効率よく学べることが保証されています。
TOEIC専用の単語帳を利用する理由は、このような頻出単語を徹底的に覚えるためです。
専用の単語帳を利用していない人は、TOEICに出てこない単語をひたすら暗記している可能性すらありますので、一度見直しをしてみてください。
TOEICのおすすめの単語帳
前置きが長くなりましたが、とても重要なことだったので先に単語帳に対して、理解が必要なことをお話しました。
ここから、TOEICのおすすめの単語帳を紹介します。
TOEIC(R)L&R TEST英単語スピードマスター
ポイント | 評価 |
---|---|
カバー率 | ★★★★★(5/5) |
使いやすさ | ★★★★★(5/5) |
収録単語数 | 3,000 |
リスニング | CD付属 |
価格 | 1,540円(税込) |
スコア範囲 | 600点〜900点 |
TOEICの単語帳を数多く出版している成重先生の集大成とも言える一冊です。
TOEICの頻出単語が3,000語も収録されており、カバー率が非常に高い単語帳です。
3,000語を理解できると、TOEIC 試験に出てくる頻出単語の約95%をカバーできると言われています。そういった観点からTOEICにアプローチする際に、有効活用したい一冊。
後半パートは生活・ビジネスのシーン別にやや長めのセンテンスから、関連する英単語を理解できるようになっています。付属CDが付いているので、リスニングの勉強も同時進行しやすいです。
「fare」(料理)や「eatery」(軽食堂)など、TOEICで高得点を目指すなら知っておくべき英単語もカバーされています。
「単語帳は一冊に集中したい!」という人は重宝するはずです。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
ポイント | 評価 |
---|---|
カバー率 | ★★★★★(4/5) |
使いやすさ | ★★★★★(4/5) |
収録単語数 | 1,000 |
リスニング | DL版が無料 |
価格 | 979円(税込) |
スコア範囲 | 600点〜990点 |
TOEIC関連の書籍で有名なTEX加藤さんが監修された単語帳です。
著者のTEX加藤さんはこれまでに26回連続で990点を達成している自他ともに認めるTOEICの達人。実際にTOEICを受験して分かった『本当に必要な単語』が収録されています。
こちらの金のフレーズは、600点からのスコア範囲が対象です。
600点・730点・860点・990点と4つの難易度が設定されていて、730点くらいから難しい単語が出てきます。現在のスコアが500点未満の人は、次に紹介する『銀のフレーズ』からやった方が良いでしょう。
金のフレーズは音声ファイルを無料でダウンロードできます。
こちらの朝日新聞出版のページにファイルがありますので、リスニングがしやすいか確認してから検討すると良いかと思います。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
ポイント | 評価 |
---|---|
カバー率 | ★★★★★(3/5) |
使いやすさ | ★★★★★(4/5) |
収録単語数 | 1,000 |
リスニング | DL版が無料 |
価格 | 979円(税込) |
スコア範囲 | 300点〜500点 |
現在のスコアが500点未満の方で、TEX加藤さんの『出る単特急シリーズ』で語彙力を鍛えたいなら、まずはこちらの銀のフレーズをやりましょう。
金のフレーズと銀のフレーズは収録されている500点レベルの単語が重複していたりしますが、全体的にスコアアップに必要な基礎単語を十分に学べる構成です。
TEX加藤さんのTOEIC本の特徴は、圧倒的な解説の分かりやすさに加えて、TOEICテストにちなんだ豆知識やTOEICのコツが所々に掲載されている点です。
TOEICの達人のアドバイスを同時に学ぶことができますよ。
銀のフレーズもDL版のリスニング音声を朝日新聞出版のこちらのページから無料で入手できます。
単語の暗記作業はリスニングも合わせてやると効果的ですので、購入を検討する材料にしてください。
キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 990
ポイント | 評価 |
---|---|
カバー率 | ★★★★★(4/5) |
使いやすさ | ★★★★★(3/5) |
収録単語数 | 1,120 |
リスニング | DL版が無料 |
価格 | 1,760円(税込) kindle版:1,346円 |
スコア範囲 | 730点〜990点 |
シリーズものの英単語の先駆けとも言える『キクタン』シリーズのTOEIC990点を狙った単語帳です。
キクタンはTOEIC公式問題集・競合商品のデータ解析によって、どの単語がどのパートで出現しやすいかまで突き詰めたテクニカルな単語帳です。
「dinners(食事客)」のような高得点者でも間違えやすい単語も全体的にカバーしています。
キクタンは単語帳の王様的な存在ですが、TOEIC用のキクタンに関しては、スコア別に単語帳が分れすぎているのが、やや使いにくい印象を受けます。
一方で、500点・600点・800点・990点・複合型などいろいろなパターンで単語帳が販売されており、段階を踏んで単語を覚えていきたい人には向いています。
TOEIC用のキクタンは公式サイトから音声ファイルをダウンロードして、リスニングの勉強をすることもできます。
アルクのこちらのページから無料で入手できますので、自分に合っているか確認しましょう。
これらの単語帳がおすすめの理由
以上がTOEICの学習におすすめの英単語帳です。
ここからは、どうしてこの4冊がおすすめなのか、その理由を説明していきます。
ご紹介した単語帳の他に検討されているものがあれば、その単語帳がTOEICの学習に効率的であるか確認することもできます。
TOEICは頻出単語3,000語で95%カバーできる試験
TOEIC専用の英単語帳は、それぞれのスコアごとに複数の書籍が販売されています。
単語帳で有名なキクタンシリーズですと、500点・600点・800点・990点というように細かく書籍が別れています。
一体どれくらいの単語を覚えれば良いの?
このように感じてしまうでしょうが、とても参考になる資料があります。
日本大学の中條清美先生が発表されている、代表的な英語試験に必要な単語数(語彙力)を調べた『How Many Words Do You Need to Know to Understand TOEIC, TOEFL & EIKEN? An Examination of Text Coverage and High Frequency Vocabulary』という文献です。
ここに書かれていることは、TOEICは4,000語から3,000語で95%の試験問題が構成されているということ。
その4,000語のうち、1,000語はやや出現回数が低いため、3,000語を覚えられればTOEICに必要な語彙力の約95%をカバーできる可能性があります。
つまり、スコアごとに単語帳が違うシリーズでも、シリーズを通して3,000語カバーできていれば問題なく効率的なTOEIC対策が可能になると考えることができます。
シリーズの異なる複数の単語帳の利用はNG
『金のフレーズ』をマスターしたから、『キクタン990』に手を出すというような単語帳の使い方はあまりおすすめしません。
私の個人的なことで言えば、単語を覚えるのが好きなので、有名所の単語帳を複数所有していますが、「この単語帳にしか載っていない英単語」など存在しないです。
シリーズを変えて色々と手を出すと、重複する英単語が大量に発生することになります。
結果的に、暗記効率が低下することになりますので、
1冊で3,000語カバーしている
または
シリーズで3,000語カバーしている
のどちらを選択するようにするべきでしょう。
どちらがオススメとかありますか?
『一冊もの』と『シリーズもの』どちらが良いかは、皆さんのお好み次第だと思います。
一冊であれば、複数の単語帳を購入せずに一冊だけで完結できる場合もありますが、特定のスコア帯を狙った単語学習は難しいです。
シリーズであれば、スコアアップを狙う際に、単語帳を新しく購入する必要がありますが、無理をせずに計画的な単語学習ができます。
このように一長一短がありますので、皆さんの性格に合わせるべきかと。
分からないから両方購入する方法は、先ほどお伝えしたとおり学習効率が落ちますので避けて下さいね。
TOEIC単語帳は発音練習ができるものを利用する
TOEICのスコアアップに単語帳を使った勉強は欠かせません。
とはいえ、単語を暗記していく作業は予想以上に大変です。
そんな辛い学習をどうせするなら、将来得られる成果を大きくした方がモチベーションも維持しやすいと思います。
多くの人は単語帳を学習して、リーディングのスコアアップに役立てようと考えていますが、リスニングのスコアアップも同時進行で目指せますよ!
英語学習の3要素
そもそも言語を理解する時に必要な要素は単語・文法・発音であると言われています。
この3つの要素をバランスよく勉強することで、英語を自分のものに出来るわけです。
この3要素の学習ステップを考えた時に、単語を起点にすれば全ての要素を補完できることは明白ではないでしょうか?
そのため、単純に英単語を覚えるのではなく、発音も一緒に習得したほうが、将来に手に入る果実は大きくなりやすいといえますね。
発音を習得する方法
発音の練習って1人じゃできないイメージがあるけど?
英語学習の中で発音は特殊です。
たしかに、他の人が喋っているのを生で見たり、英会話教室で教えてもらって勉強するイメージがあるかと思います。
お金に余裕がある人は、発音も教えてくれる英会話教室に通うのが良いです。
自分の発音が正しいのか、ネイティブに判断してもらえるため修正しやすいメリットがあります。
発音を独学でやるなら
ただ、発音の練習は英会話教室に行かないとできない訳でもありません。
そもそもTOEICのリスニングは非常に聞き取りやすいユーザーフレンドリーな仕様になっています。
- 1つずつの単語の発音がはっきりしている
- 連続する発音に崩れがほとんどない
発音記号を覚えて、発音の練習をするのがベストな方法ではありますが、すぐに習得できるものではありません。そのため、まずは単語帳に付いている音声素材を利用して、マネをするだけでも良いでしょう。
どの単語が発声されているのか分かるだけでも、語彙力をある程度強化できます。
しっかり発音を独学で勉強したい
今後の英語学習のことも考えて、今のうちからしっかり発音を勉強したい場合には、単語学習と合わせて利用するべき参考書があります。
英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
こちらの『英語耳』は発音トレーニングも合わせてやりたい人には必須かと思います。
すべての発音記号に対して、舌や頬筋(口まわりの筋肉)の使い方が分かりやすく解説されている良書です。私の個人的な経験から言いますと、発音に関する参考書を何冊か試しましたが、発音の概念を文書で理解するのはかなり難しい…。
一方で、この『英語耳』は圧倒的に分かりやすいです。
特に発音練習用のCDがとても役に立ちます。
[g](グッ)、[r](ゥル)など細かな発音部分を徹底的に練習できますので、TOEIC以外にも役立つ英語力を鍛えることが可能です。
最近は、Youtubeで発音の練習をできるようになってきています。
子供向けに見えますが、発音を本格的に勉強できる『あいうえおフォニックス』などはおすすめです。
ただ、書籍に比べるとYoutube動画はシリーズ化されていないことが多く、体系的に学ぶことができません。そういった意味では、『英語耳』を単語帳のお供にすることをオススメします。
関連記事:【発音を鍛える】『英語耳』の使い方【継続セヨ!聞けて話せるようになる】
TOEICの勉強の方向性を間違えない
私の個人的な話になりますが、2019年に会社の評価体制が変わったこともあって、10年ぶりにTOEICを猛勉強しました。結果、4ヶ月の奮闘の末に860点をなんとか達成。
この時、実は単語帳を一切利用しませんでした。
私はTOEICの公式問題集を全て揃え、とにかく何回も反復練習して、そこから知らない単語を補完していきました。このような単語の勉強方法もあるのです。
ただ、860点を達成して改めてTOEICに関心が高まった時に『スピードマスター』を手にしてみて、「最初からこれをしっかりやっておけば良かった」と思いました。
公式問題集5冊(公開テスト10回分)あれば、しっかりとした語彙力を養えるのですが、3,000語のカバー率を有する同書を確認すると、問題集の補完率は80%前後だったからです。
「どうしてそんな勉強法をしたの?」と思われるかもしれませんね。
私は外国語大学で学生時代を過ごしたのですが、お世話になっていた教授から「単語帳で勉強するな」と熱く指導頂いていたので、基本的に論文やニュースを読んで知らない単語は分厚い辞書で調べて覚えてきました。その癖が10年以上経っても抜けてなかったんですね…。
私の場合は英語の基礎力がある程度ありましたので、こんな方法でも600点→800点→860点とスコアアップをしていきましたが、これからTOEICを頑張りたい人は『正しい教材』と『正しい方向性』を大切にするべきです。
そんな私ですが、4ヶ月間とにかく効率性だけを考えてTOEICを猛勉強しました。
真剣にTOEICと向き合って見えた、効果のあった勉強法・失敗してしまった勉強法を総合的にまとめました。
TOEIC 高得点ロードマップ【ここから始めよう!】から体系的にTOEICについて学習ができます。
極力無駄なことをせずに、最短距離でTOEICの目標を達成できるよう、勉強法も含めてより良い単語帳選びに活用して頂ければ幸いです。
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