TOEICのベストな勉強法が知りたい人
「TOEICの学習にはたくさんの種類があるけれど、本当に効率がいいベストなものはどれだろう?できるだけシンプルに、誰にでも再現性がある方法を知りたい!私に合ったTOEICの勉強スタイルを教えてくれませんか?」
このような要望にお応えします。
この記事の内容
- TOEICを勉強する前に必要なスコアレベルの理解
- TOEICの勉強を継続した時のスコアの伸び方
- 勉強するべきTOEICの単語数
- それぞれのスコア帯に適したTOEICの勉強法
- 全スコアに共通するリーディングの勉強法
- 全スコアに共通するリスニングの勉強法
- 初心者にもおすすめのTOEIC参考書
TOEICの最良の勉強法は?
TOEICってどう勉強するのが効率的なんだろう?
TOEICのスコアが伸びなくなってきた…勉強方法を見直す方が良いのかな?
TOEICでスコアアップを目指している人なら、だれでも一度は、効率的な勉強方法について考えるのではないでしょうか?
先日、私はこのようなツイートをさせて頂きました。
TOEICの勉強方法に関する記事には、小手先テクニックを解説するものが多いです
たしかに有効活用できるものもありますが、英語学習の根本的な部分である『単語・文法・発音』が置き去りにされているのに違和感を感じます。
この3つを頑張れば、TOEIC以外にも通用する英語を体得できるのに勿体ない!— ほろほろ (@investfrom30) August 9, 2020
TOEICで高得点を狙いたいなら、TOEICに絞った試験対策や勉強方法に頼ることも必要です。しかし、世の中にはTOEICに関するテクニック論が溢れかえっていて、何がベストな勉強方法なのかよく分からない状態です。
TOEICのスコアアップを最短で目指しながら、幅広く活用できる英語力を鍛える方法を紹介します。
この記事の信頼性
この記事では、2019年に4ヶ月間だけTOEICの勉強に集中して500点→670点→800点→860点という経過をたどった私の経験や、各種データを交えながら、TOEICの最良の勉強法についてアイデアを提案します。
私はとにかく効率性を重視して4ヶ月の短期決戦に挑みました。
3歳の娘がいたので、のんびり勉強する時間がなかったことが原因ですが、結果的に英語学習の根本的な部分を深く探求できたつもりです。
その時の知恵がたくさん詰まっている内容となっています。
この記事を読んで下さった皆さんには、無駄な時間をかけずにTOEICのスコアアップを達成してほしいと真剣に考えて文章にしました。
すこし長めの記事ですが、後悔はさせませんので、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
TOEICを勉強する前に必要なスコアレベルの理解
「TOEICの勉強を始めるぞ!」と気合を入れる前に、まずはスコアと英語レベルの関係性について理解しておくべきです。
そんなの気にせず、どんどん勉強して、ガンガン受験してスコアアップを目指せばいいんじゃないの?
TOEICに取り組みだした最初のころは、このようなやる気に満ち溢れているもの。
どんどんガンガンと突き進むのも大切ですが、TOEICのスコアは英語学習の習熟度とある程度の相関するため、低スコアの人が、ハイレベルな学習をやるのは効率的とは言えません。
自分に何が不足しているのかについて、分からないまま勉強を始めるのは、道順を知らない状態でゴールを目指すようなものです。
スコア帯における正答の特徴
リスニングとリーディングのスコア帯別の各パートの正答率の特徴を見て下さい。
こちらのテーブル(表)はTOEIC公式のScore Descriptor Table(レベル別評価の一覧表)という資料と、私のこれまでの経験をベースに分かりやすく書き換えたものです。
リスニング
リーディング
リスニングもリーディングもそれぞれのスコア帯で、強みと弱みがあります。
強みは学習を継続して伸ばし、弱みは効率的な勉強によって克服することで、ワンランク上のスコアを目指せるということです。
自分のスコアと照らし合わせてみる
自分のスコアと照らし合わせてみると、各パートにおいて苦戦するポイントがおおよそ合致するはずです。
これらを見ると、TOEICのスコアが低い人は、単語・文法・発音を習得できていない場合が多いことが分かります。
そして、テーブルの右側にある[レベル]では単語・文法・発音のどれが不足していたり、どこを伸ばすべきかヒントを書いておきました。
自己評価と乖離が大きい場合には、英語の習熟度は高いけれど、TOEICの仕組みや回答方法に問題があるかもしれません。そういった場合は、全スコアに共通した勉強方法をこの記事の中で解説していますので、参考にしてみて下さい。
英語学習に必要な3つの要素
そもそも英語学習に必要なことは何か? について理解をすることは、TOEICの勉強よりも重要かもしれません。
英語学習の目的は、人によって様々ですが、行き着く先は『英語を扱えるようになること』であるはず。
英語が出来るというレベルにもいろいろな定義がありますが、究極は『日本語を一切頼らずに英語で対応できる』というところに落ち着きます。
英語を見た時・英語を聞いた時に、いちいち脳内で日本語変換せずに、英語として理解するためには、こちらの3要素が必要だと言われています。
- 単語
- 文法
- 発音
この3つの観点から英語学習をしていくことが重要なんです。
この3つの要素を体得できると、私たちが憧れる『英語脳』が自然と完成していきます。
単語・文法・発音の同時進行で学習していけば良いんですか?
単語・文法・発音の参考書を買ってきて、同時進行で勉強しても構いませんが、効率はどうでしょうか?
英語学習を通じて、TOEICのスコアアップを目指すなら効率性は意識した方が良いと思います。
おすすめは単語から
英語学習を細分化して、深堀りしていくと、リスニングもリーディングも単語の学習にが根本にあることが分かってきます。言語というもの自体が、1つずつの単語で構成されているのですから、単語が最も重要です。
そのため、語彙力を強化して、文法と発音の基礎を構築していく方法が理想的です。
単語の効率的な覚え方
単語に効率的な勉強法はありますか?
単語の覚え方について2つの方法を提案します。
- 単語帳を丸暗記する
- 公式問題集をやりながら覚える
まず、単語帳を使ったベーシックな勉強法です。
後ほど紹介するTOEICに特化した単語帳を利用すると、TOEICに出てくる単語の基礎固めが可能です。継続できる人や、暗記作業が得意な人に向いています。
次に、公式問題集を解きながら、分からなかった単語をチェックして語彙力を増やしていく勉強法です。TOEIC自体の勉強をしながら、語彙力が改善されるため、非常に効率は高いですが、一度の作業量が大幅に増えるため初心者には向いていません。
単語帳はCD付きがおすすめ
ちなみに、私は公式問題集を単語帳代わりに使用して高得点をマークしたので、専用の単語帳が絶対に必要ではないかもしれません。読者の皆さんのやりやすい方を選べば良いと思います。
ただ、どちらにせよ発音記号が記載された単語帳や問題集を利用した方が良いかもしれません。または、付属CDが付いている書籍で勉強するようにしましょう。
単語の勉強法はとてもシンプルです。単語帳に目を通したり、付属CDを使って耳からも覚えましょう。ポイントは毎日繰り返しやることです。
勉強するべきTOEICの単語数
単語の学習はひたすらやるべきですか?
目標が欲しいような気がします…
単語は英語学習の基盤になりますので、ひたすらやるべきです。
ただ、それだと辛いので、とりあえずTOEICのスコアアップに繋がる3,000語をマスターしましょう。
3,000語をカバーした単語帳や問題集を利用する
TOEICのスコアアップに必要な語彙数を知れば、効率的な単語学習ができるようになります。
TOEICの1回の試験に出てくる総単語数は約11,000〜12,000語と言われています。
これを聞くと「多すぎて覚えられない!」と思うかもしれませんが、[the]や[it]など複数出てくる単語も1つずつ積算された数字です。
このような2回以上使われる重複単語を除くと、TOEICは4,000語で約95%が構成されているようです。
さらに、その4,000語の中の1,000語は出現率が低いとされており、TOEICの頻出単語数は約3,000語と考えられています。
つまり、TOEICの頻出単語を中心に約3,000語をカバーした単語帳を利用すると、効率的な学習が可能になるということです。
おすすめの単語帳は、記事内の最後で紹介していきます。
TOEICの勉強を継続した時のスコアの伸び方
TOEICの勉強法の根本的な部分はご理解頂けたでしょうか?
いきなり具体的な勉強法について説明しても良かったのですが、英語学習の隠れた重要部分を理解していないと、効率的な学習を通したTOEICのスコアアップなど、夢のまた夢です。
次に、TOEICのスコアがどうやって伸びていくのか理解して、モチベーションを維持させるのに役立てましょう。
TOEICの勉強をどれくらい継続するとスコアアップに繋がりますか?
このような疑問を感じている受験者は多いはずです。
どのスコアを狙って勉強するのかによりますが、スコアの伸びやすさは公開テストのスコア帯から把握できます。
このグラフは第247回公開テストのスコア帯の分布図を当サイトでまとめたものです。
このグラフの特徴はご覧のとおり。
過去の公開テストも大体いつもこのような感じです。
- 195点からのスコアが上昇しやすい
- 545点を超えるとスコアの伸び率が悪くなる
- 795点を超えるとスコアの伸び率はさらに悪くなる
TOEICのスコアが思い通りに伸びないシンプルな理由
私たちは英語学習やTOEICの試験対策を継続すれば、青線のように直線的な成長が期待できると考えがちです。
しかし、実際には伸びやすかったり、頭打ちしやすいスコア帯が存在するため、赤線のような経過を辿ることがほとんどです。
伸びにくいスコア帯で諦めてはダメ
500点を超えてきたくらいで、成長を感じられずに途中で諦める人が多いのですが、そこは停滞時期のど真ん中です。思い通りにスコアアップしないことを前提に、英語学習をするべきかと思います。
800点を超えると、英語の基礎力・応用力が備わっているため、『正答率』にこだわり正確性を意識した勉強をしていく必要があります。
短期間でどこまでスコアを伸ばせる?
1ヶ月〜2ヶ月集中して勉強した場合ですが、195点くらいの人なら500点まではスコアアップできる可能性は十分にあります。
しかし、500点くらいの人が700点までスコアアップするには、2ヶ月程度ではかなり難しいのではないかと考えます。
あくまでも目安になりますが、TOEICを集中的に勉強できる人であれば、6ヶ月から12ヶ月前後で700点から800点を達成できるようです。
スコア帯に適したTOEICのおすすめ勉強法
ここからは、それぞれのスコア帯ごとに適した勉強方法を簡単に解説していきます。
単語・文法・発音の3つの要素のスコアごとの習熟度合いを把握しましょう。
300点未満の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
基礎力がない | 基礎力がない | 基礎力がない |
300点未満の人は、英語学習の基盤となる単語力の強化が最重要の課題です。
単語の基礎力が低いため、文法や発音についても学習が難しい状況です。
中学校レベルの教材を利用して、英語の基礎を改めて学習すると良いでしょう。
いきなり問題集を解きまくる方法もアリですが、かなり過酷であるため、継続性が無いように思います。
あまり背伸びはせずに、中学生に戻った気持ちで初期英語を学ぶことが重要です。
この時期にしっかりと英語の基礎を固めておくことで、後にスムーズなスコアアップに繋がってきます。
300点〜395点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
基礎力が少ない | 基礎力が少ない | 基礎力が少ない |
300点台の人も、英語学習を効率的にするための基礎力がまだ足りていません。
いきなり難しいテキストや参考書を利用するのではなく、中学校〜高校レベルの教材を利用して、改めて基礎を固めていきましょう。
単語は問題集を解きながら覚えるのではなく、単語帳で有名な『キクタン』シリーズの中学校〜高校レベルのものを利用して語彙力を鍛えていきます。
この記事では3,000語をカバーするTOEIC専門の単語帳をおすすめしましたが、このスコア帯の人に必要なのは基礎固めです。
TOEICの頻出単語とはやや異なりますので、まずはこちらからスタートしていきましょう。
400点〜495点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
分からない単語が減ってくる | 単語よりも習熟度は遅れる | 聞き取れる単語が増えてくる |
400点台の人は、英語学習の基盤ができつつある状態です。
単語の習得を継続していれば、問題集をやっていて以前より分からない単語も減ってきたと実感できるかもしれません。
引き続き発音を気にしながら語彙力を伸ばしましょう。単語帳を利用するなら、TOEIC(R)L&R TEST英単語スピードマスターでTOEICの頻出3,000語を覚えていく時期です。
文法の習熟度合いは遅れているはずですので、このスコアくらいから文法の勉強にも力を入れていきましょう。
リスニングとリーディングそれぞれに役立つ文法表現を理解するなら、一億人の英文法などの英会話に焦点を当てた参考書が役立ちます。
赤色の表紙の参考書で文法の基礎をしっかり理解して、別売の青色の表紙のCDブックでリスニングの練習をすると効果的です。
リスニングの勉強方法は後ほど詳しく解説しますが、とにかく途中で諦めずに継続するしかありません。
500点くらいまでは、割とスムーズにスコアが伸びやすいので、勉強はしんどいでしょうが、楽しさもあるので頑張ってみて下さい。
500点〜595点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
基礎力が完成(不安定) | 基礎力ができつつある | 基礎力が完成(不安定) |
500点台の人は、英語の基礎部分ができあがった状態に近いです。
しかし、まだ不安定であるため、単語を中心とした基礎学習を続けましょう。
このあたりから、TOEIC公式問題集を数冊利用して、繰り返し模試試験をやっていきます。できれば本番同様の時間制限でリスニングからリーディングまで通してやってみて下さい。
全体の正答率は50%前後と思われますので、リスニングとリーディングのどちらが弱点か見極めて、試験対策を考えていきます。
リスニングの正答率が悪い場合には、英語を聞くことにまだ耳が慣れていない可能性があります。次の項で説明するリスニングの効率的な勉強方法を是非取り入れてみて下さい。
リーディングの正答率は悪い場合には、パート5・6の文法・語彙力の問題で不正解が多いのか、パート7の長文読解問題で不正解が多いまたは時間が足りないか確認をします。
次の項で、それぞれの課題を解決する具体的な方法を紹介しています。
500点を超えてこのような見極めを行うのは、TOEIC公開テストの平均スコアが545点前後であるためです。
このあたりまでは、普通に努力をしていれば多くの受験者が短期間で到達できるスコア帯です。
ここからより戦略を立てた、勉強法が必要になってきます。
600点〜695点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
基礎力が完成 | 基礎力が完成(不安定) | 基礎力が完成 |
600点台の人は、しっかりとした英語の基礎力が完成してきています。
問題集や実際のTOEICでも、基礎問題を間違えることが少なくなるはずです。
TOEICは600点を超えるのが1つの壁になると言われています。
このあたりから、少し応用的な勉強法も取り入れないとスコアアップが難しくなってきます。
勉強法は単語の反復学習と、TOEIC公式問題集を繰り返しやると良いでしょう。
リスニングは倍速アプリなどを使って、1.2倍速くらいで挑戦します。
同じ問題集でもスピードが上がると、一気に難しく感じますが、これは完全に慣れです。本番の試験でリスニングをゆっくり聞き取るための練習だと思って下さい。
アプリは何でも大丈夫ですが、Audipoというアプリが使いやすいので参考にして下さい。
リーディングは時間配分に意識を向けて、パート7の最後まで回答できることを目指しましょう。時間を守って回答するアプローチは、TOEICで高得点をマークするのに重要な要素です。
リーディングの模試試験を毎日するのは大変ですので、時間配分を決めておいて、各パートごとに練習すれば大丈夫です。
700点〜795点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
深く理解していく | 応用力を着けていく | スピードを上げていく |
700点台の人は、TOEICで高得点を達成するための基礎力がしっかりと出来上がっています。
一方で、700点からスコアアップに限界を感じる人が続出します。
基礎力が完成して、英語学習やTOEICの苦手意識も少なくなっているはずですが、ここにきて頭打ちしやすいと言われています。
このあたりからスコアが伸びない理由は『正答率』の問題があるから。
当たり前の話ですが、TOEICで高得点を狙おうとすると間違える問題を減らす必要があります。
つまり、正確に回答するための練習も必要になってきます。
リスニングは同じ公式問題集を繰り返し利用して、先ほどの倍速アプリで引き続き1.2倍で問題に挑戦します。(慣れていれば1.4倍でも大丈夫)
リーディングはパート5・6の文法問題に時間を取られたり正答率が悪ければ、文法問題 でる1000問という問題集を取り入れましょう。
パート7の長文読解の練習をした方が良さそうに見えますが、TOEICの点数配分の観点から考えるとパート5・6を先に攻略した方がスコアアップに直結しやすいです。
パート5を10分で回答し、全問正解できれば、わずか10分でTOEICリーディングの30%のスコアを獲得できるようになります。
≫ TOEICの点数配分の仕組み【たった4ヶ月で860点を取れた理由が分かります】
800点〜895点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
深く理解していく | 知らないことを減らす | スピードを上げていく |
800点台の人は、TOEICの上級者に位置していて、英語の基礎はほぼ完成しています。
ここからは間違えない練習をするだけですが、さらなるスコアアップはいばらの道だと思ったほうが良いです。
リスニングでは倍速アプリを使用して1.4倍くらいで練習していきます。
ハイスピードに慣れる練習をして、本番はゆっくりとリスニング問題に挑戦しましょう。
解答ページでリスニング内容を確認して、知らない単語や表現はもれなく拾って自分のものしていきます。
リーディングは単語を深く理解すること、文法表現で知らないことを無くすことを勉強の主軸にします。
また、引き続き時間配分にこだわって、パート7の最後の問題まで『しっかり読む』ことができるようになりましょう。
ななめ読み・スキミング・部分読みなどの小手先テクニックは通用しなくなってきます。
3分前後の余裕を残して、最後の問題を終えられるのが理想的です。
900点〜990点の勉強法
単語 | 文法 | 発音 |
---|---|---|
知らないことを減らす | 知らないことを減らす | ハイスピードに対応する |
900点台の人は、英語のリスニングとリーディングの能力がバランスよく養われている状態です。
ここからスコアアップ(満点)を目指すなら、とにかく間違えない練習をすることです。
つまり、『知らないことを減らす』勉強方法がメインになります。今までお伝えしてきた勉強法と大きく異ることはありません。
ビジネス英語の参考書を読んだり、昔のTOEICの公式問題集をすべてクリアするなど、とにかく知見を広げることが重要でしょう。
全スコアに共通するリスニングの勉強法
ここまで、スコア帯別のピンポイントの勉強方法を提案してきました。
しかし、英語学習やTOEICの勉強法は、どのスコア帯であっても根本的な部分は一緒です。
ここから初心者から上級者まで全員に共通するリスニングの勉強法について、解説をしていきます。
- 耳を慣らして聞き取れる単語・フレーズを増やす
- 繰り返しヒヤリングする
- 脳内ディクテーションを行う
耳を慣らして聞き取れる単語・フレーズを増やす
TOEICのリスニングが苦手という人は、まず単語単位で聞き取りができるように練習することが大切です。
単語帳に付属されているCDを活用して、単語ごと、フレーズごとに文字を追いながらリスニングしましょう。
TOEICのリスニングは下記の理由から、聞き取りがしやすいと言われています。
- 単語ごとの発音がはっきりしている
- 接続部分の音の崩れがない
- スラングは出てこない(wannaやgottaなど)
そのため、単語単位でのリスニング力の強化はとても効率的です。
繰り返しヒアリングする
単語単位でのリスニングの練習では、シャドーイングや音読など、自分に合った方法で繰り返しすることが大切です。
単語単位・ページ単位・CDのセッション単位などの好みに合わせて、きりが良いように反復練習しましょう。
最初のころは文字を追いながらやるのが重要です。
内容が分からないままリスニングしても、あまり意味はありません。
聞き流しの勉強法は効果がありますか?
英語のノイズに慣れるという観点では『聞き流し』は意味があると思います。
私が短期集中でTOEICの勉強をした際には、公式問題集に付属しているCDを1〜2枚に絞って聞き流ししていました。
この時に重要なのは、内容をある程度理解するために、事前にリスニング内容を文章で確認しておくことです。内容と照らし合わせながら、リスニングを繰り返してやります。内容をある程度記憶できれば、教材を見ずに聞き流しするようにしても大丈夫です。
脳内ディクテーションを行う
最初は聞き取れずに雑音になってしまうかもしれませんが、英語を聞き慣れることも大切ですので、継続することをおすすめします。
ディクテーションは意味ありますか?
『聞く→書き出す』の手順によってリスニング力を鍛えるディクテーションですが、これは好みによるかと思います。
ディクテーションは作業量が多いことや、語彙力も必要であるため割と上級者向けの勉強法と考えるべきかもしれません。
あくまでも、個人的な経験ですが、書き出す作業が非効率的だと感じたため『脳内ディクテーション』を行いました。紙に書き出すのではなく、リスニングしながら聞き取れた内容を頭の中に字幕を作るような感覚で思い浮かべるだけです。
リスニングは苦手だったのですが、4ヶ月間、脳内ディクテーションをやったこともあってリスニングセクション450点まで達成したと感じています。
日本語で考える回数を減らす
このような一連の流れでリスニングの勉強をする目的は、なんと言っても『英語耳』に近づくことです。
リスニングに慣れていない時期は『英語を日本語に直してから英語として考える』という感じで、脳みそをフル回転させている状態です。これでは効率が悪すぎますね。
聞こえてきた英語をそのまま英語として扱えるようになることが、英語耳を鍛えるということです。ディクテーションはこの部分の強化に非常に効果があります。
全スコアに共通するリーディングの勉強法
リーディングにも初心者から上級者まで共通した勉強法が存在します。
- 単語・イディオムなど語彙力を伸ばす
- 文法表現の知識を問題集で強化する
- 制限時間内に回答する練習をする
単語・イディオムなど語彙力を伸ばす
この記事で何度もお伝えしていることですが、リーディングのスコアアップを目指したいならTOEICの頻出単語3,000語をカバーする単語帳をとにかく暗記することが重要です。
単語は深く理解する気持ちで勉強する
Take(受け取る)という単語なら非常にシンプルな意味ですが、単語を覚える時にはこれだけで終わってはいけません。
[take off]や[take over]などの複数の単語が組み合わさることで、様々な意味が生まれることにも注目して『せまく・深く』を意識しながら語彙力を伸ばしましょう。
どうして、たった3,000語でTOEICの1回分の試験が構成できるのか考えてみれば、このような組み合わせのバリエーションが無数にあるからです。
文法表現の知識を問題集で強化する
TOEICリーディングの前半パートは語彙力や文法表現が試されます。
特に文法表現については、その表現方法を知らなければ正しい選択肢を選ぶことはできません。知っているか・知らないかで天国と地獄が分かれるのです。
そのため、リーディングでスコアアップを目指したいなら、文法の勉強も絶対にやるべきです。これには『文法問題 でる1000問』という問題集が圧倒的におすすめです。文法問題が1,000問も掲載されており、一通り学習すればパート5で全問正解を狙えるくらいの知識が付きます。
繰り返しになりますが、文法問題は知っているか・知らないかで結果が変わります。
本書であれば、ほぼ全ての文法問題をカバーすることができます。
制限時間内に解答する練習をする
TOEICにおける時間のコントロールは小手先テクニックだということで、批判的な意見もあるのですが、時間を気にせずにリーディングの最後の問題までたどり着けるのは上級者だけです。
これからリーディングのスコアアップを目指す人なら、各パートに使える時間は理解しておいたほうが良いと思います。
皆さんに質問があるのですが、こちらの2人の受験者ならリーディングのスコアはどちらが高いでしょうか?
- 正答率は高いけど、未回答の問題をたくさん残して時間切れした人
- 正答率は普通だけど、パート7の最後まで回答できた人
私の経験から言えば、後者のほうがリーディングのスコアが高かったりします。
TOEICは無慈悲にも回答しなければ、採点対象にならないのですから当然のことですね。
各パート・設問の時間配分は人それぞれ好みが違いますが、参考にするべきルールがありますので、TOEIC時間配分のコツ【リーディングの時間切れを無くす】という記事で確認して下さい。
各パートごとのテスト対策と解き方のコツ
ここで各パートごとに必要なテスト対策と解き方のコツを紹介しておきます。
テスト対策は戦略的にやる必要があるため、それぞれ別の記事を作成しています。苦手意識を持っているパートは別途ご利用下さい。
リスニングのテスト対策
リーディングのテスト対策
初心者にもおすすめのTOEIC参考書
TOEICで効率的な勉強をしたいなら、目標にあった参考書や問題集を利用することをおすすめします。
こちらは参考程度に考えてほしいのですが、目標スコアに応じてどのような単語帳・問題集・参考書が必要なのかまとめています。
これを理解すれば、複数の書籍に手を出さずに済みます。
お金も時間も無駄になりません。
私は『スピードマスター』と『公式問題集』で860点まで達成しましたが、990点を達成した会社の先輩から教えてもらった『一億人の英文法』もやれば良かったと、少し後悔しています。
単語帳
こちらの単語帳はTOEICに必要な3,000語をカバーしています。
初心者から上級者まで語彙力の強化に有効活用できます。
こちらはオプションですが、現在のTOEICスコアが300点未満の人なら、まずは中学校レベルの単語を強化するべきかもしれません。
単語帳についてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事をご利用下さい。
問題集
TOEICの運営組織が提供している公式問題集です。
TOEIC試験そのものであるため、無駄な内容が一切載っておらず、過去問としても利用できます。
時間配分を意識したリーディングの練習に効果を発揮します。
公式問題集を使いこなした勉強法はTOEIC公式問題集の正しい使い方【たった3ヶ月!800点超えの方法を徹底解説します】という記事を参考にして下さい。
パート5・6の文法問題をほとんどカバーすることができます。
解説ページが非常に丁寧に書かれているので、初心者でも理解しやすい内容です。
文法の理解が進むと、リスニング・リーディング両方の英語力を強化することができます。
参考書
≫ 一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法
こちらは直接TOEICに関係ありませんが、英会話に着目した英文法を理解するのに非常に役立ちます。
リスニングとリーディングの両方の文法表現を強化できるため、結果的にTOEICのスコアアップに繋がります。
こちらは『書籍版の一億人の英文法』のCDブックです。
ヒアリングをした後に、音読・シャドーイングができるように構成されており、すべて英語で収録されているのが使いやすいポイントです。
この2つのツールを組み合わせて、継続学習すれば、TOEICに必要なリスニング力を十分に養えます。
TOEICの勉強方法に関するよくある質問
この記事の内容を総合的にまとめるために、TOEICの勉強方法に関してよくある質問を記載しておきます。
1ヶ月短期集中でできるTOEICの勉強法はあるか?
英語の基礎力によって異なります。既に500点くらいのスコアを達成している人なら、公式問題集と文法問題集を1ヶ月間ひたすらやれば、700点前後を目指せるように思います。
300点未満から500点、700点から900点というようなスコアアップは1ヶ月で考えない方が良いです。
スタディサプリを使った勉強法は効果的か?
英語学習で大切なのはツールではなく継続性です。
スタディサプリなどのアプリで英語を継続して学習しやすいと感じる人なら、利用する価値は十分にあります。
その他に単語学習アプリを使って、単語の暗記がしやすいと感じる人ならそれを継続してやっていくべきでしょう。
≫ スタディサプリENGLISH TOEIC対策コースの評判【レビュー記事】
大学生におすすめの勉強法はありますか?
勉強方法はスコア帯ごとに違いはありますが、学生や社会人などの所属によって異なるものではありません。
独学でTOEIC990点を取る勉強法はありますか?
独学で満点を取りたいなら、自力で800点前後まで達成できるかがポイントになります。
この記事でも紹介したとおり、800点が取れる受験者なら990点を狙える英語力は備わっています。あとは、どれだけ間違えないかという『正確性』の課題をクリアするだけです。
その上で、数多くのTOEICを受けるしかありません。
ちなみに、私の会社の先輩は独学でTOEICの勉強を続け、これまで60回受験し3回990点を達成しています。
その先輩に勉強方法を聞いた、TOEICの満点を目指すには?【990点ホルダーの先輩に勉強方法を聞いてみた】という記事を参考にしてはどうでしょうか?
TOEICの至高の勉強法は継続するのみ
以上が、私が考えるTOEICの効果的な勉強方法です。
英語に必要な3要素、TOEICに必要な語彙力、スコア別のアプローチ方法など多面的に解説をしました。
ただ、なんだかんだ英語の学習をしてきた私の感覚からすると、どのような勉強方法であっても方向性させ間違っていなければ、あとは継続が大切だと思います。
反対に、どれだけ最良の勉強方法が開発されたとしても、継続できなければ、いつまでたってもスコアアップに繋がりません。
目標を立てて継続する ──
英語学習を通じたTOEICのスコアアップを目指す際には、是非ともこの意識を忘れないようにしてみて下さい。
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